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vol.36 神奈川県から富士宮市へ移住 大塚さん

掲載日 2018年12月14日
Iターン
家族

都会の喧騒から離れ、自然の中で暮らすために起業を選択

世界文化遺産・富士山を有し、その構成遺産である富士山本宮浅間大社、白糸ノ滝などを有する静岡県富士宮市(ふじのみやし)。今や全国的にも認知度を高めつつあるご当地グルメ「富士宮やきそば」も有名です。豊かな自然、広大な朝霧高原(あさぎりこうげん)における酪農、標高差を利用した多品目の野菜などがあり、市を挙げて「食」のまちづくりに力を入れています。また、富士宮市はニジマスの養殖も盛ん。朝霧高原にある猪之頭(いのかしら)地区には、きれいな湧き水を利用した県営の養鱒場があります。透明な水の川が流れ、夏にはホタルが飛び交うほど。
神奈川県出身の大塚祐介(おおつかゆうすけ)さんは、都内各社でWebマーケティング職として事業企画やプロモーション業務に携わった後、起業して家族とともに猪之頭地区の自然の中で暮らすことを選択しました。自然が多い場所で暮らすことを選んだ経緯や起業についてお話を伺いました。

移住前の生活について教えてください

神奈川県鎌倉市で生まれ、2歳から藤沢市で暮らしていました。都内の広告代理店に勤めていた頃は、毎日、満員電車に乗って通勤し、深夜12時くらいまで働き、藤沢の家に帰るのは深夜1時半頃。3か月ほどで体がつらくなり、世田谷区で一人暮らしを始めました。その後結婚し、杉並区と府中市で暮らしていましたが、2014年に妻の実家がある神奈川県相模原へ引っ越しました。計13年ほど都内で暮らしましたが、都会の生活のリズムから少し離れた生活をしてみたいと思ったのも理由です。
妻は20代の頃、ワーキングホリデーでフランスへガーデニングを学びに行ったり、都内にある自然食品店で働いたりするなど自然が好きな女性。夫婦でパラグライダーが趣味だったので、パラグライダーを持ち、全国各地の自然景観を楽しみがてら二人でよく旅行をしていました。また、登山をしたり、離島へ行ったりなど、様々な場所を訪れ、行ったことがない県は2〜3県程度だと思います。
菜園にも興味を持ち始め、東京の府中に住んでいた時に三鷹にあるオーガニック農園を借りました。少々割高ではありましたが、週末に野菜づくりについての講習があり、他の利用者との交流を深める機会も多かったです。利用者はオーガニック農園を借りるような方々なので、自然や地域のことに関心が高い方が多かったですね。

移住を考えたのはなぜですか?

2004年に農ある小さな暮らしとやりたい仕事を掛け持ちする「半農半X」という考え方に出合い、いつか自分もそんな暮らしをしたいと思うようになりました。具体的な行動に移すまで時間がかかったのですが、2013年に移住地として最近人気がある福岡県糸島市で自然農をされている農家に農業手伝いと民泊を体験しに行きました。父が福岡出身だったんです。何も縁がない土地よりも、縁がある土地がよいと思い、父の出身の福岡県を候補に選びました。空き家を紹介してもらったので、東京に戻ってからは、福岡に支店がある会社への転職をしようと仕事探しまでしていました。しかし、最終的には移住には踏み切れませんでした。
2016年、長男が生まれたのを機に、移住への想いが一層、強くなりました。このまま満員電車で通勤し、都会の喧騒の中で暮らすより、自然に囲まれた中で家族と過ごしたい。その中で候補に上がったのが、富士宮でした。富士宮にある朝霧高原へは、月1〜2回ほどリフレッシュを兼ねてキャンプやパラグライダーをしによく車で来ていたんです。富士宮なら通い慣れているし、神奈川からも近い。土地の雰囲気や気候がよく、間近で雄大な富士山を見ることができるいい場所だと思いました。
2016年、富士宮市役所へ移住相談の電話をし、伝手(つて)を得ました。続いて、2017年、都内で行われた富士宮市役所の移住相談イベントに参加。富士宮の日本酒をいただきながら、富士宮やきそばやジビエの試食をいただくという雰囲気のいいイベントでしたね。2017年、家族会議を行い、事業計画を立て、最終決定。猪之頭地区の方々に移住について相談し、集落の中にある借家を紹介してもらいました。そして2018年2月に猪之頭へ移住してきました。

起業について教えてください

IT関係の仕事をしていたので、周囲には独立して起業した人も多く、中には上場を果たした仲間も。当然、自分もIT関係での起業を考えていました。ただ、他にも興味があることがあって…。
三鷹で菜園を借りていた時に、土窯を作って、生地から手作りしたピッツァを菜園仲間にふるまっていたんです。これがなかなか好評で。もともとピッツァを作るのも食べるのも大好き。首都圏にある薪窯ピッツァのお店を110店巡り、訪問記録を書いたサイトを立ち上げたり、ナポリピッツァ研究のためにイタリアにも行ったりしたほどなんですよ。DIYで作った土窯は、DIYの雑誌で大賞をいただいたことも。
薪窯を積んだキッチントレーラーでピッツァを販売するのもいいかもしれない。そう思い、2017年に仕事を辞めた後、数か月、国内の2つのお店で伝統的なナポリピッツァの作り方を学び、2018年5月に移動販売の「Aozora Pizza」を開店しました。
また、クラフトビールにも関心を寄せています。東京のクラフトビールのお店の人と仲良くさせてもらっていて、三鷹の畑でも、ピッツァと一緒にクラフトビールをふるまう企画を数回開催したんです。それがとても好評で。ピッツァとクラフトビールはなかなか相性がいいのではと思っています。最近、小規模ですが、ビールのホップを育て始めたところ。猪之頭のおいしい水を使ったクラフトビールを作ることができたらと考えています。
他にも、キャンプ場経営にも興味があるんです。今は、金〜日曜、祝日はピッツァの移動販売を、水曜はITの経験を活かし農業系IT会社の仕事を、まだ週3日残っているので、いずれはピッツァもITもクラフトビールもキャンプ場も、仕事として実現したいなと思っています。

移住を考えられている方へメッセージをお願いします

猪之頭地区の区長さんがとてもよい方で、家探しからピッツァの出店場所まで、いろいろ面倒を見てくださったんです。顔が広い方で、区長さんがいたからピッツァ店も軌道にのせられたのだと思っています。
また、猪之頭地区は、子育てにも工夫があり、無料で参加できる英会話教室、中学校には中学の部活しては珍しいゴルフ部も。また、猪之頭にある診療所には、医療機関での疾患の治療やケアに留まらない地域医療を提案している先生がいらっしゃるんです。自然を求めて移住してくる人が多い地域なので、こちらの先生の治療方針に共感している方も多いようですね。
移住をし、起業をしてから、通勤時間がなくなり、のんびりとした暮らしを楽しめるようになりました。子どもとの時間もたっぷり取れますし、そもそものんびりと生活できなければ移住した意味がないですからね。
「Aozora Pizza」は、井之頭公民館近くで毎週木曜日と日曜日に開催している産直市のほか、朝霧高原のキャンプ場や施設などで出店しています。出店情報はホームページに載せているので、よかったら食べに来てくださいね。時間があれば移住についてのお話もできると思います。